こんにちは。マイルで得得のデイビッドです。
前回のコラム「マイルで生活していたアメリカのホームレス」に続いて、今回もアメリカからのニュースをお伝えいたします。
2009年12月の記事で、「無料でマイル獲得。政府がマイラーのマイル稼ぎを助長」というニュースを見つけました。
英語のオリジナルニュース記事はこちら(ウォールストリートジャーナル)。
このニュースの内容ですが、詳しく見てみたいと思います。
造幣局(ぞうへいきょく)発行のコインを購入。
しかも送料無料
この時点でピンときた方も多いかもしれませんが、このニュースには造幣局(お金を製造する機関)が関わっています。
US Mintというアメリカの造幣局が、「1ドルコインの送料無料キャンペーン」を行いました。これは、通常1ドルには1ドル札が使われますが、札より長く使えるコインを市場に普及させる目的だったようです。
1ドルコインを購入するには、造幣局のホームページより申し込み、支払いはクレジットカードになります。
例えば、1万ドル分のコインを購入するのであれば、1万ドルをクレジットカードで払うわけです。つまり、1ドルで1マイル貯まるカードで払えば、一気に1万マイルが手に入るわけです。
送料無料ですし、送られてきた大量のコインは、銀行に持っていき口座に入れてしまえばいいので、実質無料で大量マイルを獲得することができるわけです。
こんなにおいしい方法はなかなかないわけで、みなさんも予想できると思いますが、多数のアメリカの陸マイラーたちが、この方法を活用(または悪用?)したわけです。
記事内には、このコイン購入の方法を活用してアメリカン航空・アドバンテージの200万マイルも獲得した人が出てきます。200万ドルものコインを購入したことになります。
ちなみに、AA・アドバンテージの200万マイルあれば、JAL国内線特典で133往復もすることができます。日本国内に限れば一生分かもしれません(笑)。
一部の陸マイラーはブラックリストに
そのうち、造幣局も繰り返し大量のコインを購入している人物に気付き、また、銀行からも造幣局の箱詰めされたコインがそのまま届いているという報告もあり、いよいよ対策が打たれました。
造幣局は、大量のコインを繰り返し購入している者を見つけて、それ以上のコインを購入できないようブラックリスト化しました。
また、造幣局がクレジットカード会社に連絡をし、コイン購入分の金額に対しては、マイルを付与しない対策も取られました。
記事によると、約400人の購入者がブラックリストに載ったということです。
これは悪いことか?
記事内で、造幣局の代表者がインタビューで、「これは違法ではない。しかし、正しいことでもない。マイル稼ぎのためにコインキャンペーンを行っているわけではない」と答えています。
一般的には、これを悪いことと判断する方もいるかと思いますが、陸マイラーの視点から見れば、「支払い方法にクレジットカードがあるのだから、カード払いして当然だ」と思うわけです。
造幣局の代表者も「正しくない」と言っていますが、私が思うには、「支払い方法は銀行振り込み、銀行小切手、ペイパルのみ」「クレジットカードの場合はマイルやポイント付与対象外」などのルールを、はじめから決めておけばよかったのではないでしょうか。
陸マイラーを責める前に、
ルールが甘かったことを責めるべき
日本でも、似たようなことが前にありました。それは、「電子マネーEdyの、クレジットカードによるチャージはマイル加算対象外」です。
チャージがマイル加算対象外になってしまった背景に、「コンビニの代行収納のEdy支払い」があります。
中には実践されていた方もいるかもしれませんが、コンビニで代行収納の支払いをするときに、現金ではなく、カードでチャージしたEdyで支払えば、その分マイルを獲得できたわけです。
通常の店舗でのカード払いによる手数料で儲けているカード会社にとって、これは無視できないことだったので、カード会社が次々にEdyチャージを加算対象外にしたわけです。
ちなみに、現在でもEdyチャージでマイルが貯まるクレジットカードは数枚残っています。
Edyでの代行収納支払いが中止された当時、「一部の陸マイラーたちの身勝手な行動で、通常のマイラーに迷惑をかけた」という感じで、陸マイラーが加害者のような感じで書かれた記事があったのを覚えています。
この時私は、「陸マイラーたちを責める前に、前から事態を予測できなかったカード会社に責任があるのでは?」と思いました。
現在は、ちょっとしたことでも、ネットを通じて世界中に発信できる時代です。代行収納のEdy払いによるマイル獲得も、一気にネット上で広がったわけです。
カード会社側も、もっと慎重に考えて、前もってコンビニに、Edyによる代行収納を不可にしてもらっていれば、わざわざEdyチャージをマイル加算対象外にする必要もなかったかもしれません。
以上ですが、アメリカの陸マイラー関連記事を見つけたので、紹介させていただきました。
アメリカの造幣局コイン送料無料キャンペーンのように、日本国内でも、うまくマイルを貯められる方法は転がっているのかもしれません。
ただし、うまい方法を見つけたとしても、ブラックリストに載らないために、ほどほどに利用するのも大事なのかもしれません。 |