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ビジネスクラス特典航空券が、必ずしも得とは限らない
※このページでは、ビジネスクラス特典航空券が必ずしも得ではないケースについて解説しています。
基本、エコノミークラスより、ビジネスクラス特典航空券のほうがマイル単価は高い
基本的に、マイルはエコノミークラスの特典航空券より、ビジネスクラスの特典航空券に使ったほうが得だと言われています。
例えば、ビジネスクラスの必要マイル数がエコノミークラスの倍だとしても、実際にお金を払って航空券を買う場合、ビジネスクラスの運賃はエコノミークラスの2倍以上になるケースが多くなります。
どれくらいお得にマイルを使えたかは、マイル単価を計算すればわかります。
マイル単価は、航空券を買った場合に支払う運賃を、使ったマイル数で割って計算する、1マイルあたりの価値になります。
例えば、本来10万円かかる航空券に5万マイル使ったのであれば、10万÷5万=2なので、1マイルあたりの価値は2円、つまり、マイル単価は2円になるわけです。
例に、ANAマイレージクラブのマイルを使った特典航空券を例に挙げてみます。
ANAマイレージクラブがレギュラーシーズンと指定している期間に、ANAマイレージクラブのマイルを使って、ANAの成田〜ニューヨーク線を利用する場合は、クラス別の必要マイル数は以下の通りになります。
ANAマイレージクラブ
成田〜ニューヨーク間の必要マイル数 |
エコノミークラス往復 |
55,000マイル |
ビジネスクラス往復 |
85,000マイル |
それでは、ANAの成田〜ニューヨーク線を、お金を払って乗ると運賃はいくらになるでしょうか。レギュラーシーズン中の某日の運賃は以下のようになります(1番安い正規割引運賃の場合)。
ANA
成田〜ニューヨーク間の航空券代
(燃油サーチャージ・税金を除いた運賃) |
エコノミークラス往復 |
55,000円 |
ビジネスクラス往復 |
328,000円 |
続いて、上記の航空券代を、特典航空券の必要マイル数で割ることにより、マイル単価を出します。
ANA
成田〜ニューヨーク間
特典航空券のマイル単価 |
エコノミークラス往復
55,000円
÷
55,000マイル
ll
1 |
マイル単価は
1円 |
ビジネスクラス往復
328,000円
÷
85,000マイル
ll
3.9円 |
マイル単価は
約 4円 |
ANAの成田〜ニューヨーク線の場合、エコノミークラス特典のマイル単価は1円、ビジネスクラス特典のマイル単価は約4円となり、ビジネスクラスの特典航空券のほうが、マイル単価が約4倍になりました。
言い換えれば、マイルをエコノミークラス特典航空券に使うより、ビジネスクラス特典航空券に使ったほうが約4倍の価値になるわけです。
毎回マイル単価の差が約4倍になるわけではなく、2倍の時もあれば5倍以上の差が出る時もあります。大事なのは、基本的には、上の例のように、エコノミークラスよりビジネスクラスにマイルを使ったほうが得をすることになるわけです。
あくまでも参考ですが、エコノミークラスの特典航空券であればマイル単価は1〜2円以上、ビジネスクラスの特典航空券であればマイル単価は3〜4円以上が理想と言えます。
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ビジネスクラス特典航空券でも、マイル単価が1円未満になるケースもあり
上のANA・成田〜ニューヨーク線の例では、エコノミークラス特典よりビジネスクラス特典のほうが約4倍お得になる結果になりましたが、毎回上のような結果になるとは限りません。
マイルを使うマイレージプログラム、特典航空券で乗る航空会社や路線が違うと、マイル単価も大きく変化し、ビジネスクラス特典航空券でも、全然得をしないケースもあるので注意が必要です。
次は、ビジネスクラス特典航空券のマイル単価が悪くなるケースを紹介します。
例として、デルタ航空・スカイマイルのマイルを使った特典航空券を挙げてみます。
(※デルタ航空・スカイマイルのマイルを使うと、必ずしもマイル単価が悪くなるということではなく、以下は、マイル単価が悪くなる1つの例を紹介しているに過ぎません。同じスカイマイルの特典航空券でも、マイル単価が良くなるケースもたくさんあります)。
デルタ航空・スカイマイルのマイルを使って、成田〜バンコク間の特典航空券を、チャイナエアラインで飛ぶ場合、マイル単価はどうなるでしょうか。
デルタ航空・スカイマイルのマイルを使って、チャイナエアラインの成田〜台北〜バンコク間を利用する場合は、クラス別の必要マイル数は以下の通りになります。
チャイナエアライン
成田〜バンコク間の必要マイル数 |
エコノミークラス往復 |
45,000マイル |
ビジネスクラス往復 |
70,000マイル |
それでは、チャイナエアラインの成田〜台北〜バンコク間を、お金を払って乗ると運賃はいくらになるでしょうか。某旅行会社が販売している某日の運賃は以下のようになります。
チャイナエアライン
成田〜バンコク間(台北経由)の航空券代
(燃油サーチャージ・税金を除いた運賃) |
エコノミークラス往復 |
21,000円 |
ビジネスクラス往復 |
59,800円 |
続いて、上記の航空券代を、特典航空券の必要マイル数で割ることにより、マイル単価を出します。
チャイナエアライン
成田〜台北〜バンコク間
特典航空券のマイル単価 |
エコノミークラス往復
21,000円
÷
45,000マイル
ll
0.5円 |
マイル単価は
約 0.5円 |
ビジネスクラス往復
59,800円
÷
70,000マイル
ll
0.9円 |
マイル単価は
約 0.9円 |
チャイナエアラインの成田〜台北〜バンコク間の場合、エコノミークラス特典のマイル単価は約0.5円、ビジネスクラス特典のマイル単価は約0.9円となり、なんとビジネスクラス特典でもマイル単価が1円を切ってしまいました。
つまり、皮肉にも、チャイナエアライン利用のビジネスクラス特典航空券でバンコクへ行くよりも、ANA利用のエコノミークラス特典航空券でニューヨークへ行った方が、マイル単価が高くなるわけです。
このように、エコノミークラス特典よりも、ビジネスクラス特典のほうが損な使い方になってしまうケースもあるわけです。これがビジネスクラス特典航空券で注意しなければならない点です。
上の例では、他社と比べて、東南アジアへのビジネスクラス航空券代が安いチャイナエアラインを故意にピックアップしてみましたが、上の例のように、マイル単価がかなり低くなるケースでビジネスクラス特典を利用するのは避けたほうが賢明です。
むしろ、チャイナエアラインのビジネスクラス航空券を購入して、デルタ航空・スカイマイルのマイルを貯めたほうが賢いと言っても過言ではありません。
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普段からビジネスクラス航空券料金の相場を調べておくことが大事
上の例では、東南アジアへのビジネスクラス航空券が安い、チャイナエアラインを挙げましたが、別に、「チャイナエアラインでなければ、マイル単価が低くなる心配はない」というわけではありません。
上のデルタ航空・スカイマイルのマイルを使う場合、例えば、中国東方航空のビジネスクラスで、上海経由でバンコクへ飛んだ場合も、同社のビジネスクラス航空券は安い傾向にあり、結果、マイル単価が低くなるケースがあります。
外資系航空会社に限らず、ANAやJALのビジネスクラスでも、時期・路線によっては、かなり安く飛べるケースもあります。
なので、マイルを使う時は、利用できる航空会社を確認し、実際に特典航空券を利用したい日に、同じ航空会社の航空券を買うといくらになるかを、事前にチェックされることをおすすめします。
その中で、航空券代が安い航空会社ではなく、航空券代が高めの航空会社を選ぶことにより、特典航空券のマイル単価を高くすることができます。
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