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コラム (2012年07月)
燃油サーチャージ自己負担なら、欧米路線エコノミークラス特典はかなり損

こんにちは。マイルで得得のデイビッドです。

しばらく燃油サーチャージが高騰していますが、みなさんどのように対処されていますでしょうか。

航空券を買って旅行する場合、必ず燃油サーチャージを払う必要があるわけですが、欧米のような長距離路線だと、往復で5万前後はかかってしまいます。

膨大な燃油サーチャージ額を理由に、アメリカやヨーロッパへの旅行は避けている方もいるかもしれません。逆に、燃油サーチャージ額が含まれていて、(ある程度の)お得感があるパッケージツアーであえて旅行する方もいるかもしれません。

一部のマイレージプログラム、そして一部の提携航空会社を除き、特典航空券でも燃油サーチャージは自己負担する必要があります。

関連ページ:
特典航空券で燃油サーチャージは払うの?
特典航空券の燃油サーチャージ有無一覧表

せっかくの特典航空券なのに、燃油サーチャージで数万円もとられたら、特典旅行の意味がない、と思われる方も多いのではないでしょうか。

特典でも燃油サーチャージを払っている方、または、払うのは仕方ないと思っているなら、要注意です。特に、アメリカやヨーロッパへの長距離路線のエコノミークラス特典を利用する場合は要注意です

具体的に、何に要注意なのかと言いますと、「長距離路線のエコノミークラス特典で、燃油サーチャージが自己負担になる場合、マイル単価(特典でのマイルの価値)がとても低くなってしまうので要注意」ということです

燃油サーチャージが無かった頃の
航空券料金の内訳を思い出す


まず、燃油サーチャージが存在しなかった頃の航空券料金を思い出してみてください。

燃油サーチャージがない場合、航空券料金の内訳は基本的に、「航空券の基本料金+空港税など」になります。

例えば、ニューヨークへの航空券代が約9万円であれば、大まかな内訳としては、「航空券の基本料金が約8万円+空港税などが約1万円」のようになります。

例えば、ニューヨークへ特典航空券で行く場合でも、空港税などは別途発生し、自己負担する必要があります。ニューヨークへの特典マイル数が5万マイルとするならば、内訳は「5万マイル+空港税などが約1万円」ということになります。

この場合のマイル単価(1マイルの価値)は、約8万円の航空券基本料金を5万円で割ればいいので、80,000÷50,000で、マイル単価は約1.6円になります。

燃油サーチャージがある現在の料金内訳は?

では、燃油サーチャージが発生する現在の航空券料金の内訳はどうでしょうか。あくまでも例ですが、同じニューヨーク行きを挙げてみます。

燃油サーチャージが導入されてから、全体的に航空券料金の相場は高い状態になっています。しかし、オフシーズンなどは、ニューヨークのような長距離路線でも、10万円前後の航空券が販売されている時もあります(燃油サーチャージ込みの金額です)。

燃油サーチャージ額を約5万円とした場合、航空券料金の大まかな内訳を見てみると、「燃油サーチャージが約5万円+空港税などが約1万円+航空券基本料金が約4万円」となります。

この航空券を購入しないで、特典航空券で乗るとしても、燃油サーチャージの約5万円と、空港税などの約1万円は払う必要があります。ということは、特典で使うマイルの価値は、航空券基本料金にあたる約4万円ということになります。

ニューヨークへの特典マイル数が5万マイルとすると、マイル単価は40,000÷50,000=0.8で、マイル単価は0.8円にになり、何と、マイル単価が1円を切ってしまいます。これなら、マイル単価が1円以上になる電子マネーのWAONやEdyに交換した方がましです

航空会社は、燃油サーチャージがある代わりに、航空券の基本料金を下げている

どうして特典のマイル単価が1円以下になってしまうのでしょうか。それは、燃油サーチャージがかかる代わりに、航空会社は、航空券の基本料金を下げているのです

基本料金の部分を下げることにより、膨大な燃油サーチャージ代含めても、航空券全体の料金を抑えようとしているのです

私はいつも、「燃油サーチャージが上がっても、航空券の基本料金部分が下がるなら、燃油サーチャージとして別途請求する意味は何なのか?」と考えてしまいます。

どうしてこのようなことが起こるのかは不明ですが、我々マイラーは、航空券の基本料金が下がる分、マイルの利用価値も減るということを覚えておく必要があります

上の2つの例なら、

【燃油サーチャージがない時】
航空券の基本料金は9万円 → マイル単価は約1.6円

【燃油サーチャージがある時】
航空券の基本料金は4万円 → マイル単価は約0.8円

と、使うマイル数は同じ5万マイルなのにも関わらず、1マイルの価値は何と半分になってしまうのです

こんなことになってしまうなら、JALマイレージバンクとANAマイレージクラブでは、マイルをツアーの購入料金に使える商品券やポイントに交換して、その商品券やポイントでツアーや航空券を購入したほうが、マイル単価は上がります

しかも、購入したツアーや航空券で旅行すれば、これは特典ではないので、フライトマイルも貯まります

長距離路線の特典で燃油サーチャージ負担の場合、マイル単価1円以下なら要注意

これから、アメリカ、ヨーロッパ、オセアニア、アフリカなど、長距離路線のエコノミークラス特典を利用される場合、燃油サーチャージが自己負担になるのであれば、特典の予約をする前に、マイル単価(1マイルの価値)を計算されることをおすすめします

例えば、成田〜ニューヨーク間をエコノミークラス特典で飛ぶ場合、同じ航空会社の航空券を買うと、いくらになるのかを調べます。

その航空券料金が10万円で、内訳が「燃油サーチャージが約5万円、空港税などが約1万円、基本料金が約4万円」とします。

特典の必要マイル数が6万マイルとする場合、基本料金の4万円を、必要マイル数である6万で割るので、40,000÷60,000で、マイル単価は約0.7円になります。

マイル単価が1円以下ですから、とても損な使い方になってしまいます

燃油サーチャージ無料の航空会社を利用すれば、マイル単価は上がる

「燃油サーチャージが自己負担になる長距離エコノミークラス特典は損」と何度も繰り返していますが、逆に、「長距離エコノミークラス特典でも、燃油サーチャージが免除されるなら利用する価値あり」と考えることができます

関連ページ:
燃油サーチャージ無料なら、長距離路線のエコノミー特典もあり

上の、ニューヨークへの10万円の航空券を例にすると、内訳が「燃油サーチャージが約5万円、空港税などが約1万円、基本料金が約4万円」とし、これを燃油サーチャージが無料になる特典で利用する場合、マイル単価を計算する金額は、基本料金の約4万円に、燃油サーチャージの約5万円をプラスした約9万円になるわけです

この場合、約9万円を6万マイルで割るので、90,000÷60,000=1.5と、マイル単価は約1.5円になりました。(私の中ではタブーである)マイル単価1円を超えています(笑)。

2012年7月現在(予告なしに変更される可能性あり)、JALマイレージバンクでは、JALの特典だと燃油サーチャージが請求されますが、アメリカン航空の特典だと燃油サーチャージが免除されます。

ANAマイレージクラブなら、ANAの特典だと燃油サーチャージを払う必要がありますが、エアカナダの特典だと燃油サーチャージが無料になります。

例えば、JALマイレージバンクのマイル特典でニューヨークへ行く場合、JALではなくてアメリカン航空を選べば、膨大な燃油サーチャージを払う必要がなく、その分マイル単価も上がります。(実際には、アメリカン航空特典だと必要マイル数が少し多くなるため、マイル単価がまるまる2倍、というわけにはいかないかもしれません)。

ANAマイレージクラブのマイル特典でニューヨークへ行く場合、ANAで飛ぶと燃油サーチャージがかかりますが、エアカナダ(トロント経由など)で飛べば、燃油サーチャージが免除されて、マイル単価もアップします。

1円未満のマイル単価が嫌なら、マイルを商品券などに交換するか、マイルは忘れて航空券を買うのもあり

上の例のように、マイル単価が1円以下になるのはとても損だから、出来る限り避けたいという方も多いかと思います。私も、マイル単価1円未満というのは避けていきたいと思います。

JALマイレージバンク、ANAマイレージクラブ、デルタ航空・スカイマイルなどなら、マイルを商品券やポイントに交換できる特典があり、マイル単価は最低でも1円にはなります。

燃油サーチャージが自己負担になり、長距離エコノミークラス特典でマイル単価が1円以下になるなら、マイル単価が1円になる商品券やポイントに交換して、それでツアーや航空券を購入したほうが賢明です

逆に、ほとんどの外資系マイレージプログラムでは、マイルを商品券やポイントに交換できないため、利用したい特典のマイル単価が1円未満になる場合は、マイルのことは忘れて、お金を払ってツアーや航空券を購入するのもありです

そして、そのフライトで貯まったマイルも含めて、次回の特典旅行でマイル単価が1円以上になるようにすればいいわけです。

マイル単価がすべてではない

さて、ここまで「マイル単価」という言葉が何回も出てきましたが、別に、「特典のマイル単価が1円未満なら、マイラーとして失格」ということは全くありません

みなさんが貯めたマイルをどのように使うかは、みなさんの自由だからです

好きな時に好きな所へ行くのが、賢い特典の使い方」でも触れている通り、航空券の本来の目的は、みなさんを目的地へ連れていくことです。

ただし同時に、特典航空券では、損な使い方と上手な使い方があるのも事実です。どうせなら、特典航空券をうまく活用し、マイル単価を上げたほうが、一生懸命貯めてきたマイルの価値も増えるわけですから、それに越したことはないわけです。

みなさんは、マイルの価値を気にする派でしょうか。それとも、特典航空券に交換できるだけで十分派でしょうか。

もし、マイルの価値を気にする派であれば、燃油サーチャージが高騰している間は、燃油サーチャージが自己負担になる長距離エコノミークラス特典は避けた方がよろしいかもしれません。

特典航空券の燃油サーチャージ有無はマイレージプログラムにより異なります。詳細は特典航空券の燃油サーチャージ有無一覧表をご覧ください。


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※このページの情報は2012年07月現在のもので、予告なしに変更されることがあります。