こんにちは。マイルで得得のデイビッドです。
いきなりですが、みなさんの金融リテラシーはどうでしょうか? 最近は「貯蓄から投資へ」と言われるように、時代が厳しくなるにつれて、資産運用に力を入れている方も増えているようです。
投資の必要性が叫ばれると同時に、「お金に関する知識」という意味の「金融リテラシー」という言葉も最近よく目にします。
つまり、これは「賢く安全に資産運用をするためには、それなりの金融リテラシー(お金に関する知識)が必要になる」ということだと思います。
実際に、多数の資産運用関連のホームページ、書籍には「金融リテラシー」という言葉が使われています。
オーストラリアのYahooで面白い情報
私の場合、投資の前に、まずは貯金から始めなければならないのですが(笑)、同時に、早く知っておいても損はないと、資産運用関連のウェブサイト、書籍でときどき情報収集をしています。
ウェブサイトでは、みなさんご存知のYahooの「ファイナンス」というセクションに目を通しています。貯金、株、保険などなど、お金に関する情報でいっぱいのセクションです。
なお、私は英語の勉強も兼ねて、日本のYahooだけでなく、アメリカやオーストラリアでのYahooファイナンス(Finance)のセクションも、ときどき読むようにしています。
実は、少し前にオーストラリアのYahoo「Finance」の記事を読んでいたのですが、1つ面白い記事を発見しました。
その記事とは、おそらくファイナンシャルアドバイザーが書いたコラムだと思われますが、タイトルは「Making money」(お金を儲ける・稼ぐ)となってます。なお、オリジナルの英語ページはこちらで読むことができます。
タイトル通り、このコラムには、お金の稼ぐためのコツのような内容が書かれているのですが、「このコラムとマイレージがどう関係あるの?」と思われるかもしれません。
このコラムには、お金の知識(いわゆる金融リテラシー)向上のためのコツが7つ書かれていて、その7つとは以下のようになっています。
1.Read the nitty gritty(肝心なこと(詳細)を読み取る)
2.Contact the experts (専門家と話す)
3.Contact respected organisations (評判のいい機関と話す)
4.Surf these helpful website (役立つホームページを参考にする)
5.Select the best adviser (最良のアドバイザーを選ぶ)
6.Remember: the rich are in the minority (お金持ちは少数派であることを忘れない)
7.Set yourself goals to acheive (達成できる目標を作る)
このように、お金の知識を高めるには、上の7つをする必要があると主張されています。
「マイレージなんてどこにもないじゃん」と思われるかもしれません。その通りで、この7つの中にマイレージという言葉は直接出てきません。
しかし、重要なのは1番目のRead the nitty gritty (肝心なこと(詳細)を読み取る)の中で説明されている内容です。
詳しく見てみると、
「Always read the fine print and understand it, as this will give you an
edge. Start with your bank accounts, credit cards and loyalty/frequent
flyer programs.」
となっています。
日本語だと、
「常に細かい規約を読んで理解すること。そうすれば有利になり得をします。これは、あなたの銀行口座、クレジットカード、マイレージプログラムの規約から始める(練習する)ことができる」
と書かれていました。
普段は何となく読んでいるマネー関連のコラムですが、さすがに「マイレージプログラム(Frequent flyer programs)」という言葉を見たときには目が点になってしまいました。
そして、1人で勝手に「マイレージが好きな自分は金融リテラシーが上がって、自然に投資で成功できる!」とうれしい気分になってしまいました(笑)。
ちゃんと理解もせずに喜んでいた私もアホなのですが、「一体どうしてなんだろう?」と考えてみました。
大事なのは
「規約を理解し、うまく利用すること」
ここで主張されていることは、おそらく「規約をしっかり読んでルールを理解すれば、その商品を賢く利用することができる」ということだと思います。
ただし、「いきなり金融商品と接するのも難しいかもしれないので、まずは身近にある銀行口座やマイレージプログラムの規約をしっかり読んで、いろいろ分析してみる」ことが大事なのではないでしょうか。
それでは、我々マイラーが利用しているマイレージプログラムは、実際にどのように金融リテラシー向上に役立つのでしょうか。私なりに感じたことをまとめてみたいと思います。
1.比較力が身につく
マイレージプログラムを賢く利用するには、各マイレージプログラムでの違いを知る必要があります。つまり、各マイレージプログラムを比較する必要があります。
例えば、「全日空をエコ割で飛んだ時、ANAマイレージクラブに加算すると加算率は70%だけど、ルフトハンザ・マイルズ&モアだと加算率は100%に上がる」という違いがあります。
つまり、全日空・ANAマイレージクラブとルフトハンザドイツ航空・マイルズ&モアのルールを比較したことにより、この違いがわかったことになります。
他にも、「エコノミーでバンコクへ飛びたい場合、JALのマイルだと35,000マイル必要なのに、エアカナダのマイルだと20,000マイルだけで済む」という違いがあります。
これも、日本航空・JALマイレージバンクとエアカナダ・アエロプランでの特典マイル数チャートを比較したことにより、この差がわかったことになります。
各マイレージプログラムではこのような違いがたくさんあるので、普段から「このマイレージプログラムに加算しておけば良かった!」「この航空会社でもマイルを貯めれたのか!」「同じマイル数でそこへも飛べたのか!」などなど、たくさんの発見があるのではないでしょうか。
私も、ちょっとした発見があるたびに、「もしかしたら他のマイレージプログラムではもっといいかもしれない」と、自然に各マイレージプログラムを比較するようになりました。
この「比較する習慣」こそ、金融商品を比較するときにも十分役に立つのではないでしょうか。
例えば、最近私の親戚が定期預金を始めたのですが、その方は高齢でネットが使えないため、私が代わりに各銀行の金利を比較してみました。
比較をすることは、マイレージプログラムの比較のおかげで慣れているので、各銀行の定期預金の金利も違和感なく比較することができました。
このように、「比較することを習慣化してしまえば、金融商品の場合も実践できるため、自然に収集できる情報量が増え、最終的にはより自分に適した金融商品を選ぶことができる」のではないでしょうか。
2.デメリットもすぐに気づく
マイレージプログラムの細かいルールを知るにつれて、欠点もそれなりにあることに気づくはずです。
例えば、「コンチネンタル航空・ワンパスでは大韓航空の格安航空券だと加算対象外の場合がある」「エールフランス航空・フライングブルーの有効期限は、JALに乗っても延長されない」などなど、各マイレージプログラムなりにデメリットがあります。
このように、各マイレージプログラムでの欠点を知ると、これから新しい情報を得た時、「いやちょっと待てよ。XXX航空会社と提携開始したけど、実は加算対象外の運賃があるかもしれない」など、慎重になる習慣が生まれます。
この習慣が身につくと、金融商品を選ぶときにも役に立つ可能性があります。
例えば、今回定期預金の金利を比較してみましたが、2009年2月現在、3年ものでは「日本振興銀行」の金利が1.5%と一番高いことがわかりました。
ただし、マイレージのおかげで、私は「この高い金利には理由があるに違いない」と思い、少し調べてみると、「預金通帳を発行しない銀行」「銀行では珍しく格付けが公開されていない」などがわかりました。
みずほ銀行や三井住友銀行のように、(ほぼ)安心して預けられるのではなく、このように、高い金利なりにデメリットもあることがわかりました。
この「欠点を意識しながら物事を調べて比較する」ことも、マイレージを通して習慣化されたと思います。
3.コストパフォーマンスを考える
例えば、各マイレージプログラムでは、特典航空券のフライト日を変更すると、手数料がかかる場合があります。
例えば、2009年2月現在、デルタ航空・スカイマイルでは特典のフライト日を変更すると、100アメリカドルの手数料が請求されます。
もし、DL・スカイマイルの25,000マイルで特典を発券し、あとから都合が合わずにフライト日を変更すると、100ドル使うことになります。同時に、その特典の価値も100ドル分減ることになります。
例えば、「初めは25,000マイルでの特典に約5万円の価値があったとしても、手数料の100ドル分を引くと、結局は約4万円の価値だけになってしまう」ことも考えられます。
これは、金融商品にも当てはまることではないでしょうか。
例えば、投資信託の中には、維持手数料、報酬手数料などなど、いろいろな手数料が発生するものがあります。
もし、「ある投資信託の利回りが5%と書いてあっても、いろいろな手数料分を引いてみると、実際の利回りは2%以下になってしまう」ことも考えられます。
投資信託の利回りと、マイレージの変更手数料は直接関係ありませんが、「さまざまな数字や手数料をもとに、総合的なコストパフォーマンスを計算する」という意味では、共通する部分があるのではないでしょうか。
無理やりですが、まとめてみると
1.各マイレージプログラムを比較する → 金融商品を比較する時にも、より自分にあった金融商品を選ぶことができる
2.マイル加算対象外などの欠点があることを知る → デメリットに気づくことができれば、うまい情報だけに呑(の)まれることはない
3.特典のマイレージ価値を計算する → 金融商品でも手数料などを計算し、最終的なリターンを把握できる
というように、「マイレージプログラムに精通することにより、ある程度は金融商品と上手に付き合うことができ、そして金融リテラシーも向上する」と言えるのではないでしょうか。
金融リテラシーが低い私のような人間が、このようなことを書くのもおかしいかもしれませんが、せっかく大好きなマイレージと絡めることができたので、書かせていただきました。
ちょっと無理やりに結論づけたかもしれませんが、我々マイラーは「マイレージは無料旅行だけでなく、金融リテラシーも高めてくれて一石二鳥」と思えば、マイレージ生活も楽しくなるのかもしれません。 |