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コラム (2009年02月)
マイレージは金融リテラシー向上に役立つ?

こんにちは。マイルで得得のデイビッドです。

いきなりですが、みなさんの金融リテラシーはどうでしょうか? 最近は「貯蓄から投資へ」と言われるように、時代が厳しくなるにつれて、資産運用に力を入れている方も増えているようです。

投資の必要性が叫ばれると同時に、「お金に関する知識」という意味の「金融リテラシー」という言葉も最近よく目にします。

つまり、これは「賢く安全に資産運用をするためには、それなりの金融リテラシー(お金に関する知識)が必要になる」ということだと思います。

実際に、多数の資産運用関連のホームページ、書籍には「金融リテラシー」という言葉が使われています。

オーストラリアのYahooで面白い情報

私の場合、投資の前に、まずは貯金から始めなければならないのですが(笑)、同時に、早く知っておいても損はないと、資産運用関連のウェブサイト、書籍でときどき情報収集をしています。

ウェブサイトでは、みなさんご存知のYahooの「ファイナンス」というセクションに目を通しています。貯金、株、保険などなど、お金に関する情報でいっぱいのセクションです。

なお、私は英語の勉強も兼ねて、日本のYahooだけでなく、アメリカやオーストラリアでのYahooファイナンス(Finance)のセクションも、ときどき読むようにしています。

実は、少し前にオーストラリアのYahoo「Finance」の記事を読んでいたのですが、1つ面白い記事を発見しました。

その記事とは、おそらくファイナンシャルアドバイザーが書いたコラムだと思われますが、タイトルは「Making money」(お金を儲ける・稼ぐ)となってます。なお、オリジナルの英語ページはこちらで読むことができます

タイトル通り、このコラムには、お金の稼ぐためのコツのような内容が書かれているのですが、「このコラムとマイレージがどう関係あるの?」と思われるかもしれません。

このコラムには、お金の知識(いわゆる金融リテラシー)向上のためのコツが7つ書かれていて、その7つとは以下のようになっています。

1.Read the nitty gritty(肝心なこと(詳細)を読み取る)
2.Contact the experts (専門家と話す)
3.Contact respected organisations (評判のいい機関と話す)
4.Surf these helpful website (役立つホームページを参考にする)
5.Select the best adviser (最良のアドバイザーを選ぶ)
6.Remember: the rich are in the minority (お金持ちは少数派であることを忘れない)
7.Set yourself goals to acheive (達成できる目標を作る)


このように、お金の知識を高めるには、上の7つをする必要があると主張されています。

「マイレージなんてどこにもないじゃん」と思われるかもしれません。その通りで、この7つの中にマイレージという言葉は直接出てきません。

しかし、重要なのは1番目のRead the nitty gritty (肝心なこと(詳細)を読み取る)の中で説明されている内容です。

詳しく見てみると、

「Always read the fine print and understand it, as this will give you an edge. Start with your bank accounts, credit cards and loyalty/frequent flyer programs.」

となっています。

日本語だと、

「常に細かい規約を読んで理解すること。そうすれば有利になり得をします。これは、あなたの銀行口座、クレジットカード、マイレージプログラムの規約から始める(練習する)ことができる」

と書かれていました。

普段は何となく読んでいるマネー関連のコラムですが、さすがに「マイレージプログラム(Frequent flyer programs)」という言葉を見たときには目が点になってしまいました。

そして、1人で勝手に「マイレージが好きな自分は金融リテラシーが上がって、自然に投資で成功できる!」とうれしい気分になってしまいました(笑)。

ちゃんと理解もせずに喜んでいた私もアホなのですが、「一体どうしてなんだろう?」と考えてみました。


大事なのは
「規約を理解し、うまく利用すること」


ここで主張されていることは、おそらく「規約をしっかり読んでルールを理解すれば、その商品を賢く利用することができる」ということだと思います。

ただし、「いきなり金融商品と接するのも難しいかもしれないので、まずは身近にある銀行口座やマイレージプログラムの規約をしっかり読んで、いろいろ分析してみる」ことが大事なのではないでしょうか。

それでは、我々マイラーが利用しているマイレージプログラムは、実際にどのように金融リテラシー向上に役立つのでしょうか。私なりに感じたことをまとめてみたいと思います。

1.比較力が身につく

マイレージプログラムを賢く利用するには、各マイレージプログラムでの違いを知る必要があります。つまり、各マイレージプログラムを比較する必要があります。

例えば、「全日空をエコ割で飛んだ時、ANAマイレージクラブに加算すると加算率は70%だけど、ルフトハンザ・マイルズ&モアだと加算率は100%に上がる」という違いがあります。

つまり、全日空・ANAマイレージクラブルフトハンザドイツ航空・マイルズ&モアのルールを比較したことにより、この違いがわかったことになります。

他にも、「エコノミーでバンコクへ飛びたい場合、JALのマイルだと35,000マイル必要なのに、エアカナダのマイルだと20,000マイルだけで済む」という違いがあります。

これも、日本航空・JALマイレージバンクエアカナダ・アエロプランでの特典マイル数チャートを比較したことにより、この差がわかったことになります。

各マイレージプログラムではこのような違いがたくさんあるので、普段から「このマイレージプログラムに加算しておけば良かった!」「この航空会社でもマイルを貯めれたのか!」「同じマイル数でそこへも飛べたのか!」などなど、たくさんの発見があるのではないでしょうか。

私も、ちょっとした発見があるたびに、「もしかしたら他のマイレージプログラムではもっといいかもしれない」と、自然に各マイレージプログラムを比較するようになりました。

この「比較する習慣」こそ、金融商品を比較するときにも十分役に立つのではないでしょうか

例えば、最近私の親戚が定期預金を始めたのですが、その方は高齢でネットが使えないため、私が代わりに各銀行の金利を比較してみました。

比較をすることは、マイレージプログラムの比較のおかげで慣れているので、各銀行の定期預金の金利も違和感なく比較することができました。

このように、「比較することを習慣化してしまえば、金融商品の場合も実践できるため、自然に収集できる情報量が増え、最終的にはより自分に適した金融商品を選ぶことができる」のではないでしょうか。

2.デメリットもすぐに気づく

マイレージプログラムの細かいルールを知るにつれて、欠点もそれなりにあることに気づくはずです。

例えば、「コンチネンタル航空・ワンパスでは大韓航空の格安航空券だと加算対象外の場合がある」「エールフランス航空・フライングブルーの有効期限は、JALに乗っても延長されない」などなど、各マイレージプログラムなりにデメリットがあります。

このように、各マイレージプログラムでの欠点を知ると、これから新しい情報を得た時、「いやちょっと待てよ。XXX航空会社と提携開始したけど、実は加算対象外の運賃があるかもしれない」など、慎重になる習慣が生まれます。

この習慣が身につくと、金融商品を選ぶときにも役に立つ可能性があります。

例えば、今回定期預金の金利を比較してみましたが、2009年2月現在、3年ものでは「日本振興銀行」の金利が1.5%と一番高いことがわかりました。

ただし、マイレージのおかげで、私は「この高い金利には理由があるに違いない」と思い、少し調べてみると、「預金通帳を発行しない銀行」「銀行では珍しく格付けが公開されていない」などがわかりました。

みずほ銀行や三井住友銀行のように、(ほぼ)安心して預けられるのではなく、このように、高い金利なりにデメリットもあることがわかりました。

この「欠点を意識しながら物事を調べて比較する」ことも、マイレージを通して習慣化されたと思います

3.コストパフォーマンスを考える

例えば、各マイレージプログラムでは、特典航空券のフライト日を変更すると、手数料がかかる場合があります。

例えば、2009年2月現在、デルタ航空・スカイマイルでは特典のフライト日を変更すると、100アメリカドルの手数料が請求されます。

もし、DL・スカイマイルの25,000マイルで特典を発券し、あとから都合が合わずにフライト日を変更すると、100ドル使うことになります。同時に、その特典の価値も100ドル分減ることになります。

例えば、「初めは25,000マイルでの特典に約5万円の価値があったとしても、手数料の100ドル分を引くと、結局は約4万円の価値だけになってしまう」ことも考えられます。

これは、金融商品にも当てはまることではないでしょうか。

例えば、投資信託の中には、維持手数料、報酬手数料などなど、いろいろな手数料が発生するものがあります。

もし、「ある投資信託の利回りが5%と書いてあっても、いろいろな手数料分を引いてみると、実際の利回りは2%以下になってしまう」ことも考えられます。

投資信託の利回りと、マイレージの変更手数料は直接関係ありませんが、「さまざまな数字や手数料をもとに、総合的なコストパフォーマンスを計算する」という意味では、共通する部分があるのではないでしょうか。

無理やりですが、まとめてみると

1.各マイレージプログラムを比較する → 金融商品を比較する時にも、より自分にあった金融商品を選ぶことができる

2.マイル加算対象外などの欠点があることを知る → デメリットに気づくことができれば、うまい情報だけに呑(の)まれることはない

3.特典のマイレージ価値を計算する → 金融商品でも手数料などを計算し、最終的なリターンを把握できる


というように、「マイレージプログラムに精通することにより、ある程度は金融商品と上手に付き合うことができ、そして金融リテラシーも向上する」と言えるのではないでしょうか。

金融リテラシーが低い私のような人間が、このようなことを書くのもおかしいかもしれませんが、せっかく大好きなマイレージと絡めることができたので、書かせていただきました。

ちょっと無理やりに結論づけたかもしれませんが、我々マイラーは「マイレージは無料旅行だけでなく、金融リテラシーも高めてくれて一石二鳥」と思えば、マイレージ生活も楽しくなるのかもしれません。


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※このページの情報は2009年02月現在のものです。