マイルで得得コラム > 当コラム

コラム (2009年08月)
マイルを貯め続ける2つのリスク

こんにちは。マイルで得得のデイビッドです。

主にアメリカ系、ヨーロッパ系マイレージプログラムでは、マイルの有効期限を延長することができるため、今ではマイルを半永久的に貯めることができます。

なので、期限があるJALマイレージバンクやANAマイレージクラブとは違って、「5年間かけて5万マイルためる」「10年間貯めてビジネスクラスに乗る」というようなことが可能になります。

マイルをマイペースに貯めれるので、頻繁に海外旅行をしなくても、ビジネスクラス、ファーストクラスの特典航空券を獲得することができるようになったわけです。

「自分のペースでマイルを貯められる」「ビジネス、ファーストの特典も狙える」などのメリットがあるわけですが、しかし、マイルの有効期限がないことは100%いいことでもありません。

ここでは、「有効期限がないことを理由に、マイルを貯め続けることにより生まれるリスク」について触れてみたいと思います。

つまり、マイルをあまりにも長い期間保有していると、どんなデメリットがありえるのか?について触れてみます。

リスク1
提携終了のリスク


中には、「あの航空会社でニューヨークに行きたい」「あの航空会社のビジネスクラスに乗りたい」と、特定の航空会社の特典航空券を狙っている方もいるかと思います。

しかし、その航空会社との提携が終了してしまえば、その航空会社の特典航空券は発券できなくなってしまいます

例にデルタ航空(DL)・スカイマイルを見てみます。

DL・スカイマイルは以前ヴァージンアトランティック航空と提携していましたが、2008年2月に提携終了となりました。

もし、あるスカイマイル会員が、5年間貯め続けたマイルで、ヴァージンアトランティック航空のビジネスクラスでロンドンに行きたいと思っていても、提携が終了してしまえば、それは実現できないことになります。

ある航空会社との提携終了は頻繁にはありませんが、上の例のように、特定の航空会社の特典を狙っている場合は注意が必要です。

特に、ビジネス、ファーストの特典を狙っている場合は、必要マイル数に達する期間も長くなる分、その間に提携が終了してしまう可能性もないとは言えません


リスク2
特典必要マイル数の増加


二つ目は、マイルを持っている期間が長くなると、その間に特典航空券の必要マイル数が上がってしまうというリスクです。いわばマイルのインフレリスクです。

必要マイル数が増えてしまえば、同じマイル数でも、特典旅行できる回数が減ってしまう可能性があります。

1つ目の例として、ノースウエスト航空(NW)・ワールドパークスを見てみます。

2009年5月、NW・ワールドパークスは一部特典の必要マイル数を上げました

改悪の対象になった1つに、日本〜東南アジア間のビジネスクラス特典があります。3万マイルから4万マイルへと、1万マイル上がってしまいました。

NW・ワールドパークスのマイルは有効期限がないため、有効期限ありのマイレージプログラムと比べると、10万、20万マイル貯めている人も多くなります。

例えば、あるNW・ワールドパークス会員が、一生懸命貯めてきた12万マイルで、「東南アジアへビジネスクラスで4回も行けちゃう」と、うれしそうにマイルをキープしてたらどうでしょうか。

変更後は、同じ12万マイルでも、東南アジアへのビジネスクラス旅行は3回しかできなくなってしまいました(ここでは、例外的に可能だったデルタへのマイル移行は除きます)。

特典旅行に行く時間がなければ仕方ないことですが、もしこの会員が、「どうせ有効期限がないから、10年後にマイルを使おう」と考えていたなら、それはマイル保有のリスクを背負ったことになります

もう1つの例として、エールフランス航空・フライングブルーを挙げてみます。

フライングブルーも、2009年4月に、日本航空の特典航空券の必要マイル数を上げました

例えば、日本〜アメリカ間のビジネスクラス特典は、9万マイルから16万マイルと、一気に7万マイルも上がってしまいました。

フライングブルーも有効期限を延長できるわけですが、もしある会員が、「もう9万マイル貯まったけど、有効期限は延長できるし、せっかくだからもう少し貯めてから使おう」と、特典航空券の利用を先延ばしたのであれば、これもマイル長期保有のリスクを負ったことになります

このように、同じマイル数を持っていても、「必要マイル数が上がる前」「必要マイル数が上がった後」では、マイルの価値に差が出てしまうことになります。

必要マイル数が下がることは稀

マイルを貯め続けることは絶対にダメとは言いませんが、目標のマイル数に達したら、上のようなリスクを避けるためにも、その場で使い切ってしまうことをおすすめします。

なぜならば、過去を振り返ってみても、特典必要マイル数が下がることはほとんどないからです

稀なケースとして、2009年5月、アメリカン航空・アドバンテージがJAL国内線の特典マイル数を下げたことなどがありますが、このようなケースはあまりありません。

特に、ここ最近は航空業界が苦しくなっているので、どの航空会社も、「特典マイル数を下げて、より多くの会員に特典旅行をしてもらおう」と考える余裕なんてありません。

このコラムを読んでみて、「もう数十万マイルあるのに、もしかして自分はマイルを貯めること自体が目的になってしまい、使うことを先延ばししているかも」と思った方は要注意です

マイルを使うか使わないかは、みなさんの自由ですが、使わないことばかり選んでいると、マイルのインフレリスクの被害者になってしまうかもしれないことを覚えておいてください。

どのマイレージプログラムに注意すべき?

ここでは、マイルを貯め続けるリスクについて触れましたが、それでは、実際にどのマイレージプログラムで注意したほうがいいのでしょうか。

ここでは、私の勝手な予想を述べてみます。なお、あくまでも予想なので、その点はご留意ください。

日本航空・JALマイレージバンク

JALマイレージバンクは、アメリカへのビジネスクラスが8万マイル、オーストラリアへのエコノミークラスが4万マイルなど、長距離路線の必要マイル数が低めに設定されています。

しかも、日本国内線区間を含めても必要マイル数は同じなので、結構お得な内容になっています。

そのうち、ANAマイレージクラブのように、ゾーン制から飛行距離制に変わってしまうかもしれません。

デルタ航空・スカイマイル

東南アジアへのエコノミークラスは25,000マイル、ビジネスクラスは3万マイルと、お得な内容になっています。

ノースウエスト航空と合併し、新しいマイレージプログラムが誕生すると共に、特典マイル数は上がってしまうかもしれません。

コンチネンタル航空・ワンパス

東南アジア内のエコノミークラスが25,000マイル、コンチネンタル航空限定でケアンズまで25,000マイル、どちらとも利用価値のある特典旅行です。なので、あまり長続きするとは思っていません。

ユナイテッド航空・マイレージプラス

前回の変更がつい最近とはいえ、ユナイテッド航空限定のバンコク、シンガポールまでビジネス3万、ファースト4万は、とてもおいしい内容になっています。

特典の枠があまりにも少ないという問題がありますが、それでも、必要マイル数自体が少ないのが魅力的です。

エアカナダ・アエロプラン

北アジア、香港、バンコク、シンガポール限定で、エコノミー2万マイル、ビジネス3万マイルになっています。

これは、スターアライアンスの好きな航空会社を組み合わせることができる面でも、とても優れた内容になっています。必要マイル数がエコノミー3万マイル、ビジネス6万マイルへ上がってしまっても不思議ではありません。

以上ですが、私が個人的に心配しているところを述べさせていただきました。「私も同じ予感がする・・」という方は、必要マイル数に達したら、即発券がよいかもしれません。


>コラムの一覧へ

↑ページのトップへ

>マイルで得得のトップへ


※このページの情報は2009年08月現在のものです。