こんにちは。マイルで得得のデイビッドです。
既にご存じの方も多いかもしれませんが、2009年3月13日に、「旅行解約 マイル返してと提訴」という記事がYahooニュースで掲載されました。
マイルに関連あるニュースなので、興味津々で読まれた方も多いのではないでしょうか。
このニュースをまとめてみると、
「貯まったJALマイレージバンクのマイルを使い、JAL IC利用クーポン特典に交換した会員が、このクーポン特典のポイントを使い、パッケージツアーを購入しました。
しかし、後からツアーをキャンセルし、当然使ったクーポン特典のポイントも戻ってくると思ったところ、「クーポン特典のポイントは戻ってこない」というルールがあるため、ポイントは戻ってこなく、マイルを無駄にしてしまいました。
会員はJALにポイントを返却するように頼むと、JAL側は「クーポン特典のポイントで購入された場合は、キャンセルしてもポイントは戻らないことは、ポイント交換時に了解を得ている」と主張しました。
キャンセルしたのにポイントが全く戻ってこないのはおかしいと思った会員は、JALのパッケージツアーを扱っているジャルツアーズを訴えることにしました。」
ということになります。
「マイル(ポイント)は会員のものだから戻ってこないのはおかしい」と思われる方もいれば、「細かい規約を知らないまま利用した会員にも多少責任はある」と思われる方もいるのではないでしょうか。
これはとても複雑なところではありますが、私は「JALに説明不十分の責任が半分、会員にも理解不十分の責任が半分」と、どっちもどっちだというが正直な意見です(会員の方を責める意図はありません)。
同時に、「特典航空券をキャンセルした場合、手数料を払えばマイルは戻るのに、クーポン特典のポイントで購入したツアーをキャンセルした場合、ポイントが戻ってこないのはおかしい」と思うのも事実です。
マイレージは航空会社に支配されている
今回のニュースでより明らかになったことは、「マイレージプログラムのルールは、航空会社側で100%支配されていて、会員はただそれに従うのが現状」ということではないでしょうか。
例えば、格安航空券で旅行した際、「マイル加算対象外の運賃なのでマイルは加算されません」と言われてしまえば、私たちは素直に従うしかありません。
特典航空券を発券したくても、「その日はもう特典用の席が一杯です」と言われてしまえば、私たちはその日に特典を使うことはできません。
そして、今回のニュースも、「クーポン特典で購入されたツアーや航空券をキャンセルした場合、ポイントは返却されません」と会員は言われたので、素直に従うしかないわけです(今回の方は提訴という決断をされましたが)。
もちろん、会員側としては、提訴してマイル(またはポイント)が全て戻るのが理想なわけですが、ポイントが戻ってこない場合、全員がそう簡単に提訴できるわけではありません。
ということは、私たちができることは、「マイレージプログラムのルールに従いながら利用していく」ことしかないことになります。
なお、今回のニュースではJALマイレージバンクのIC利用クーポン特典が対象になっていますが、ANAマイレージクラブでも、ANAご利用券(Eクーポン)という同じタイプの特典が用意されています。
そして、このANAご利用券特典でも、JALと同じように「キャンセルしてもご利用券は戻らない」ルールになっています。
それでは、マイレージ会員は、このような「ポイントが返却されない特典」をどのように利用すべきなのでしょうか。
これはJALマイレージバンク、ANAマイレージクラブに限定されますが、ポイントが戻ってこない特典に対してできる対策を紹介したいと思います。
対策1:
ツアー、航空券は現金で購入し、
マイルは電子マネー特典で使う
JALのIC利用クーポン、ANAのEクーポンのどちらも、「キャンセルした場合はクーポンのポイントが戻らない」というリスクがあります。
そのようなリスクを避けるために一番有効なのは、やはりこのクーポンタイプの特典は利用しないことです。
「マイルが貯まっても希望日に特典航空券が使えないから、仕方なくクーポン特典でツアーや航空券を買っているのに!」という方もいるかと思います。
そのお気持ちも理解できますが、病気、仕事、家族関連などの理由で、急きょ旅行を中止しなければならないかもしれません。
しかし現金で購入していれば、キャンセル料にもよりますが、ある程度のお金は自分の手元に戻ってきます。
「それじゃ、マイルを特典航空券に使えないのに、クーポン特典も利用するなと言うのなら、どうすればいいの?」を思われるかもしれません。
ここでおすすめなのが、「ツアーや航空券は現金で払うとあきらめ、マイルは電子マネー特典で利用してしまう方法」です。
電子マネー特典ですが、JALマイレージバンクならWAON(ワオン)、ANAマイレージクラブならばEdy(エディー)に交換することができます。
電子マネーならば、スーパー、コンビニなどの日用品で使うことができるので、まずトラブルが起こることはありません。
また、電子マネーには有効期限がないので、日常生活の中でマイペースで使っていくことができます。
どうせなら、マイルは旅行に使いたいと思っている方には物足りない方法かもしれませんが、少なくとも「マイルを無駄にしてしまうという最悪の結果」だけは避けることができます。
対策2:
クーポン特典を利用するなら、
キャンセルのリスクがないものに使う
今回のニュースの会員の方は、クーポン特典を使ってパッケージツアーを購入されていますが、別にツアーと航空券しか買えないわけではありません。クーポン特典を使えるところは他にもたくさんあります。
JALマイレージバンクのIC利用クーポンの場合、ツアー、航空券の他にも、
・空港内のレストランや売店
・JALホテルズの宿泊
・JALホテルズ内のレストランやカフェ
・JAL関連の商品購入
に使うことが可能です。
例えば、ホテル日航東京にある、鉄板焼「銀杏」というレストランでIC利用クーポンを使うことができます。
食事だと、支払いは食べた後になるので、キャンセルした場合、支払い自体していないのでリスクがありません。なので安心してクーポン特典を使うことができます。
対策3:
特典を利用する前に
必ず規約を読む
今回提訴される会員の方を責めるわけではありませんが、やはりこの会員の方にも、「ルールに従っていない」という責任が少なからずあるかと思います。
この方がもし、このルールを知っていたのであれば、「ツアーはキャンセルする可能性があるから、ツアー以外の方法で使おう」という選択もあったはずです。
ただし、「細かい規約なんて読んだこともないし読みたくもない!」という方がほとんどだと思います。
しかし、これはマイレージプログラム以外のことでも言えるかもしれませんが、やはり「細かい規約をしっかり読んで把握した後に、その規約に満足できるのであれば、自分に合う方法で利用する」のが理想ではないでしょうか。
ただ、私も規約のような長い文章を読むのがあまり好きではありません。しかし、細かい規約を読むと、「このようなこともダメなのか!」と新しい発見があるのも事実です。
なので私は、各航空会社のホームページから規約の部分をコピペ(コピー&ペースト)し、ワードに大きめの文字で印刷して読んでいます。
大きめの文字で印刷し、規約の間にスペースを入れれば、普通のプリントを読んでいる感覚で読めるのでおすすめです。
やはり規約をプリントアウトして全部読むのは珍しいのでしょうか、「規約オタク」と言われたこともありますが(笑)、「規約を読む」=「航空会社が言いたくない箇所も知れる」というメリットもあるので、ぜひ読まれることをおすすめします。
クーポン特典で
ツアー、航空券を買うのもあり
このコラムでは、全体的に「クーポン特典では、キャンセルの可能性があるツアーや航空券の購入は避けるべき」という空気が強いかもしれませんが、これをしてはいけないということでもありません。
もちろん、「ツアーや航空券をキャンセルする可能性はゼロに近いから、私はクーポン特典でツアーや航空券を購入する」という選択も全く問題ありません。
あくまでも、「今回のニュースのようなことで、マイルを無駄にしてしまうことだけは避けたいという方には、上のような対策もある」ということをお伝えしたかったのが目的です。
私もマイレージ大好き人間として、今回のクーポン特典によるポイントが返却されることを望んでいますが、同時に、「規約を知っている重要さ」も考えさせられたニュースでもあったと思います。 |